PROJECT

プロジェクト座談会

三宝電機きっての精鋭陣が挑んだ、
前例のない大規模メガソーラー発電所建設。

愛知県某所の山林地に建設された、62メガワットの発電規模を誇る「メガソーラー発電所」の建設プロジェクト。数十億円もの予算を費やし、2016年の計画始動から約4年の歳月を経て、計画立案・受注から運転開始までを手がけました。三宝電機が誇る4人のプロフェッショナルが刻む成功の軌跡をご紹介します。

T.M
東京支店第一工事部
第二工事課 課長
1996年入社
電気工学科

M.A
東京支店第一営業部
第二営業課 主任
2010年入社
経済学部経済学科

S.S
東京支店第一工事部
第二工事課
2014年入社
電気電子工学科

T.S
名古屋支店
工事課 主任
2012年入社
普通科

  • 1.他に類を見ない大規模プロジェクトが今、始動

    愛知県某所のメガソーラー発電所。その電気設備工事を受注するため、私は営業活動に取り組みました。工事部・設計部との意見交換を通じて、技術・工期面で実施可能な工事の計画を立案し、提案書・見積書を作成。プロジェクトを受注するために、工事イメージを具体化することを意識していました。

    M.Aさんからプロジェクトを引き継ぎ、工事全体のプログレス管理を手がけました。また、作業のスムーズな進行のための応援体制の確立・作業員の確保にも努めました。およそ4年の歳月をかけたプロジェクトは、金額にして数十億円。設備の規模も今まで経験したことがないほど大規模で、気合が入りましたね。

    私は完成したメガソーラー発電所の使用前自主検査を実施しました。使用前自主検査では、電圧測定・耐圧試験などを通じて、動作確認と不備チェックを行います。すべての項目をパスしなければ安全に発電所を稼働させることができません。そのため、約半年間を通じて人員管理・日程調整を行い、検査を予定通り実施できる環境を整えました。

    私はメガソーラー発電所に電力供給する幹線ケーブル工事に携わりました。東京ドーム13個分の土地に敷き詰められた太陽光パネル。そこから中部電力に電気を集める幹線ケーブルは、まるで血管のような役割を果たしています。その中で私は、ケーブルの敷設ルート設計と工事の進行管理を担当しました。

  • 2.取り組み方は十人十色。それでも、目指す場所は同じ。

    プロジェクトで心がけていたことは、工事の発注元に足を運び、情報収集や工事決済者との面談を実施することです。競合他社よりもローコスト・高品質な施工を実現するために、必ず月1回程度は発注元に訪問し、打ち合わせを重ねました。また、着工後は工事の進捗状況や作業工程の増減について、工事関係者と密に情報共有することを意識していました。

    私はメガソーラー発電所の電圧を測定し、定められた発電保証値の基準値クリアに注力しました。発電できる電力の最低保証値が設けられており、どんな些細なミスも見逃すことはできません。多くの人が待望し、20年間安定して電力供給できるメガソーラー発電所を完成させるべく、仕事を確実にやり遂げることを念頭に置いて業務に取り組んでいたことを思い出します。

    私は検査を滞りなく実施するため、検査方法・具体的な実施内容をT.M課長と念入りに検討した上で決定しました。実施内容は、設備の外観チェックをはじめ、設備の耐力試験、電圧測定など多岐にわたります。検査項目が多く、人員管理・スケジュール調整には頭を悩ませましたね。しかし、みんなの協力もあって当日はケーブルの接続ミスや確認漏れを発見することができました。検査の重要性を再認識した出来事として今でも記憶に残っています。

    発電した電気を中部電力に送るため、全長2キロメートル以上の幹線ケーブルを敷設する必要がありました。ケーブルには22,000ボルトの高電圧が流れるため、慎重に取り扱う必要があります。そのため、工事中の安全確保はもちろん、運転開始から20年後も安全に運用できる回路の構築に注力しました。

  • 3.困難な出来事への即応力が活きた瞬間。

    台風の動向を常に注視していたことをよく覚えています。メガソーラー発電所は山林を切り開いた土地に建設されているため、工事現場に影響が出るおそれがありました。もっとも、台風の通過後は大きな被害も出ず、風雨で荒れてしまった工事現場もすぐに復旧。現場の対応力の凄さを実感しましたね。

    私も工事の統括責任者として、自然災害には注意を払っていました。施工期間中には、自然を相手に仕事をする難しさを痛感しましたね。個人として力を注いだのは、スペイン・タイ・ベトナム・中国などの世界各地から資材・機材調達の手配を行ったことです。工事スケジュールに合わせて、必要な資材・機材を納める必要があり、管理者としての腕の見せどころでした。

    私は検査のスケジュール調整が印象に残っています。昼間の検査・夜間の検査が連続するスケジュールをどうしても組まなければならない日があり、作業現場を管理する仕事の難しさを感じました。検査に協力いただいた関係各位の皆様には大変感謝しています。そんな不測の事態もありましたが、検査の完遂は私にとって忘れられない経験となりました。

    幹線ケーブルを埋設するには、太陽光パネル架台の杭を避けながら、数センチ単位の正確さで作業を行う必要があります。完成したメガソーラー発電所が真価を発揮できるよう、埋設の設計図を作成する段階から慎重に取り組みました。設計図では再現しきれない地形の歪みを計算に入れつつ、高い精度で埋設作業を完了できたことが特に印象深いですね。

  • 4.メガソーラー発電所は、組織のアビリティを総動員した汗と涙の結晶

    最も仕事上の難しさを感じたことは、受注の前段階でメガソーラー発電所の技術を理解する必要があったことです。専門外の知識を正しく理解し、プロジェクト概要を簡潔にまとめることは想像以上に困難でした。その分、受注が決まったときの達成感もひとしおでしたね。そのやりがいを糧に、今後は自然エネルギーを活用した風力発電に挑戦してみたいです。

    プロジェクト成功のためには、東京支店のみならず、三宝電機の総力を挙げて取り組まなければならない。そう判断した私は、三宝電機の名古屋支店・大阪本店に協力を要請し、同じ目標達成を目指すワンチームとして取り組みました。今は4年間の長きにわたるプロジェクトを会社全体で成し遂げられたやりがいを噛み締めています。

    一番のやりがいは使用前自主検査を完遂できたこと。これに尽きます。数多くの検査項目をクリアしたメガソーラー発電所を無事に引き渡し、お客様にもご満足いただけました。また、多くの学びも得ることができました。今回の経験を活かし、今後は太陽光発電のみならず新たな分野の検査にも挑戦したいです。

    今回のプロジェクトは非常に規模が大きく、作業には高度な技術を要しました。成し遂げることができたのは、M.A・T.M・S.Sをはじめとする三宝電機の精鋭たちが力を結集したからこそだと考えています。おかげで、エンジニア人生の中でも一、二を争う経験ができました。もし機会があれば、また同じメンバーで新たなプロジェクトに取り組みたいですね。